タイ発祥料理「ガパオライス(กะเพรา)」とは?意味や食べ方を紹介

最近日本でも見かけるようになった「ガパオライス」。なんとなく聞いたことはあるけど、どんな料理かと聞かれると答えられない人も多いのではないでしょうか。この記事では、ガパオライスの発祥や意味について解説します。おうちで作れるレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

タイ発祥?ガパオライスはどこの国の料理?

ガパオライスは、タイ発祥の料理です。現地では”パットガパオ”と呼ばれ、”ガパオライス”という名前は日本特有の料理名です。

タイ全国の屋台やレストランでも見かける、タイ国民に愛されている料理です。

タイ発祥料理「ガパオライス」の基本情報

ガパオライス

料理名 パットガパオ(ผัดกะเพรา)
英語名 Thai stir-fried minced pork with basil
食べられる場所 屋台・食堂・レストラン・フードコート
意味 ガパオ:ハーブ(ホーリーバジル)
特徴 ひき肉のバジル炒め
辛さ ★★〜★★★★(辛いタイ料理)

日本では聞きなれない「ガパオ」とは、調理に使用されるホーリーバジルを意味します。

ホーリーバジルはシソ科メボウキ属の植物で、主な原産地はネパール、インド、オーストラリア。メディカルハーブの代表的な存在で、インドの伝統医学アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」と呼ばれています。ハーブ独特の臭みが少なく、味わいと爽やかな香りが人気です。

ガパオライスとはどんな料理?

ガパオライスは、直訳すると「バジル炒めご飯」と訳されます。

なんとなくイメージができたかもしれませんが、ガパオライスとは、ホーリーバジルを使って細かく刻んだ肉と野菜(一般的に玉ねぎとパプリカ)を炒め、ご飯と目玉焼きを添えた料理です。ホーリーバジルは日本で手に入りづらいので、国内のタイレストランではイタリアンで用いられる「スイートバジル」を用いるのが一般的です。

日本では鶏肉のひき肉を使用したものが多いですが、タイでは豚肉や魚介などさまざまな食材が用いられます。唐辛子やニンニクをたっぷりと使用した料理で、最後の仕上げにナンプラーや砂糖で味付けをします。爽やかなホーリーバジルの香りと、唐辛子のピリ辛の味を楽しめる料理です。

ガパオライスはどこで食べることができる?

ガパオライス

ガパオライスはここ数年で日本でもブームが始まり、タイ料理専門店やエスニックレストランなどで見かけるようになりました。タイ国内ではガパオライスは代表的な国民食のひとつなので、レストランや食堂で食べることができます。

具だけをおかずとして提供している飲食店もありますが、ご飯と目玉焼きと一緒に出てくるのが一般的です。また、ガパオライスは日本で言うカレーライスくらい庶民にとって身近な料理で、外食時だけでなく、家庭でも親しまれています。

ガパオライスとナシゴレンの違いとは?

ガパオライスと同様にエスニックファンに人気を集めている料理が「ナシゴレン」です。ナシゴレンも料理の上に目玉焼きが乗るので、似たような料理に見えます。

しかし、ナシゴレンはインドネシア料理で、豚肉やエビなどを「ご飯と一緒に炒めた」料理です。日本で言うチャーハンのような作り方をしますが、ガパオライスは「ご飯を炒めない」点が大きく異なります。

また、ガパオライスとタコライスが似ているとお思いになる方もいるかもしれません。タコライスは沖縄発祥の料理で、チリパウダーなどさまざまなスパイスを調合したひき肉を用い、チーズやサルサソースで味付けをします。ご飯の上と一緒に食べるひき肉という点ではガパオライスと似ていますが、調味料や味付けが全く異なる料理です。

ガパオライスの注文方法と種類

ガパオライス

タイでガパオライスを注文するときは、”ガパオライス”と言っても通じないことがほとんどなので注意が必要です。なぜなら「ガパオライス」というと「ハーブとご飯」という意味になってしまうからです。必ず「パットガパオ+〇〇(具材:鶏肉・豚肉・魚介など)」と中に入れる具材を具体的に伝えるようにしましょう。

ガパオライスの種類 発音の仕方 音声

(ひき肉)
パット ガパオ ガイサップ
(ผัดกระเพราไก่)

(ひき肉)
パット ガパオ ムーサップ
(ผัดกระเพราหมูสับ)
パット ガパオ ヌア
(ผัดกระเพราเนื้อ)
イカ パット ガパオ プラムック
(ผัดกระเพาปลาหมึก)
エビ パット ガパオ クン
(ผัดกระเพรากุ้ง)

日本でも食べられるオーソドックスな鶏ひき肉のガパオライスが食べたいときは「パット ガパオ ガイサップ 」と注文しましょう。また、現地で注文をする際に「目玉焼き(カイダオ)はいる?」と聞かれるかもしれません。カイダオをオプションとしている飲食店もあるので、注文を忘れないようにしましょう。

本場タイ人のガパオライスの食べ方

ガパオライスはスプーンやフォークを使って食べるのが一般的です。食べ方に決まりがあるわけではありませんが、本場のタイ人はご飯と具は混ぜずに食べる人が多いです。ガパオライスに乗っている卵は、黄身と白身に食べ分けたり、半熟の黄身を具にからめたりして一緒に食べるようです。

ただ、タイの屋台ではガパオライスの具がご飯の上に乗って提供されることがあります。その場合は具とご飯を分けて食べることができないので、混ぜて食べてしまいましょう。

ガパオライスのレシピ・作り方

最後に、ガパオライスのレシピを紹介します。

ガパオライスは日本で手に入る具材でアレンジして作ることができます。エスニック料理というと難しく聞こえるかもしれませんが、フライパンひとつでできるガパオライスは時短料理としても活用できます。

ガパオライスの材料(二人分)

ごはん お茶碗2杯分
鶏ひき肉 200g
赤パプリカ 1/2個
玉ねぎ 1/4個
バジル 10枚
にんにく 1片分
赤唐辛子 1本
☆砂糖 小さじ1杯
☆ナンプラー 大さじ1杯
☆オイスターソース 大さじ1杯
ライム 2スライス
サラダ油 大さじ1杯
塩胡椒 適量

ガパオライスのレシピ・作り方

  1. にんにく、赤唐辛子、玉ねぎをみじん切りにする。赤パプリカは角切りにする。バジルは適当な大きさにちぎる。
  2. フライパンにサラダ油(大さじ1/2)を入れて中火で熱し、目玉焼きを作る。半熟卵が一般的ですが、お好みで調整を。
  3. フライパンにサラダ油(大さじ1/2)、にんにくを入れて中火で熱し、香りが立ったら鶏ひき肉と玉ねぎを加え、色が変わるまで炒める。大きな塊にならないように、ほぐしながら炒めましょう。
  4. 赤パプリカを加えて火が通るまで炒める。☆、唐辛子、バジルを加えて、水気が少し残る程度まで炒め合わせる。ここからは素早く、炒めすぎないのがポイント!
  5. お皿にごはんを盛り、炒めた具材、2.で作った目玉焼きをのせて塩こしょうをふる。
  6. ライムを添えて完成。

Q.辛いのが苦手な人は?

辛いのが苦手な人は、唐辛子を抜いて作っても美味しく召し上がれます。唐辛子の代わりに追加しなければならない材料はありません。辛すぎない豆板醤ペーストを用いることもできます。

Q.ナンプラーがない場合

普段エスニック料理を作らない人は、ナンプラーが家にないかもしれません。

ナンプラーを入れるとエスニック料理らしい香りが引き立ちますが、なければ薄口醤油とレモンで代用できます。薄口醤油2・レモン汁1の割合で、レシピのナンプラーの量に置き換えてみましょう。ナンプラーに近い味わいになります。

ガパオライスまとめ

ガパオライスは、長年タイ国民に愛されてきた料理です。ホーリーハーブを用いた料理ですが、日本でもスイートバジルで代用して作ることができます。

ぜひ日本で作った後に、本場のタイで味の違いを楽しんでみてください。