タイ料理「トムカーガイ(ต้มข่าไก่)」とは?意味と種類と本場の食べ方

トムカーガイは、お手軽な材料でできるタイの人気料理です。一方でパッタイやトムヤンクンと比べると、トムカーガイは認知度が低く、食べたことのない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、トムカーガイとはどんな料理なのかを解説します。記事の最後では、お家で作れるトムカーガイのレシピを紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

トムカーガイはどこの国の料理?

トムカーガイは、タイ発祥の料理で、タイの他にラオスでも親しまれています。

世界のスープの中でも比較的食べやすい料理として人気があります。日本人の口にも合うと評判で、最近では日本国内のタイ料理専門店でもトムカーガイを取り扱っているお店が増えてきました。

タイ料理「トムカーガイ」の基本情報

トムカーガイ

料理名 トムカーガイ(ต้มข่าไก่)
英語名 Thai chicken coconut milk soup
食べられる場所 屋台、食堂、レストラン、フードコートなど
意味 トム:煮る、カー:ナンキョウ(生姜)、ガイ(鶏肉)
特徴 鶏肉と生姜のココナッツミルクスープ
辛さ ★(辛くないタイ料理)

トムカーガイとはどんな料理?

トムカーガイは、トムヤンクンに続くタイの代表的な「スープ料理」です。赤く辛そうな見た目のトムヤンクンと比べ、トムカーガイのスープは真っ白。見るからに優しそうな味の料理です。

トムカーガイは生姜と鶏肉をココナッツミルクで煮て、味・香り付けにはパクチーやレモングラス、唐辛子、ナンプラーやライムジュースを使います。カーと呼ばれるタイの生姜は、日本で親しまれている生姜より香りが強く、タイ料理ならではの香りを引き出します。

また、ココナッツミルクを使用しているので比較的まろやかで、辛い料理が苦手な人も美味しく食べられます。生姜や香辛料が体を温めてくれる、冷房や冬の冷えた身体にもぴったりの料理です。

トムカーガイとグリーンカレーの違いとは?

トムカーガイ

トムカーガイと似た見た目の料理に「グリーンカレー」があります。グリーンカレーもココナッツミルクで調理をするため、色や香りがトムカーガイと似ています。

しかし、グリーンカレーは数多くの香辛料やハーブをすり潰した「ペースト」を使っている点がトムカーガイと大きく異なります。手順としてはペーストを炒めて、その後にココナッツミルクを入れてスープにします。

そのためトムカーガイが比較的まろやかな一方で、タイの現地飲食店で食べられるグリーンカレーはかなり辛くなっていることが多いです。また、グリーンカレーにはナスやタケノコといったトムカーガイには使われない材料が用いられます。

トムカーガイはどこで食べることができる?

トムカーガイ

トムカーガイはタイ国民の間でも広く親しまれている料理です。そのため、屋台でも食べられますし、ローカル食堂、高級レストランでも提供されています。必ずと言っていいほどメニューにある、タイの定番料理です。

屋台だと比較的安く数百円で食べられますが、高級レストランだと800円ほどします。観光地では、トムヤンクンと比較すると若干安く値段設定されています。材料の内容で考えると決してトムヤンクンと大した差はありませんが、おそらくトムヤンクンの知名度が高く、値段も高めに設定されているのでしょう。

トムカーガイの種類と注文方法

トムカーガイには一般的な鶏肉の他に、魚介やキノコを使うなど、さまざまなバリエーションがあります。「トム=煮る」、「カー=生姜」なので、注文をするときは「トムカー+〇〇(頼みたい具材の名前)」と言いましょう。

具材の種類 発音の仕方 音声
鶏肉 トムカーガイ
(ต้มข่าไก่)
シーフード トムカータレー
(ต้มข่าทะเล)
キノコ トムカーヘット
(ต้มข่าเห็ด)
豚肉 トムカームー
(ต้มข่าหมู)
豆腐 トムカータオフー
(ต้มข่าเต้าหู้)

上の表にあるように、トムカーガイのシーフード版を注文したい場合、シーフードはタイ語で「タレー」なので、トムカー+タレーで「トムカータレー」と頼みます。

本場タイ人のトムカーガイの食べ方

トムカーガイ

トムカーガイはタイ人の間でも長年親しまれてきた人気のある料理です。食べ方に特に決まりがあるわけではありませんが、タイ人の多くがスプーンを使って食べています。タイではお皿を持ち上げたり、食器に口を付けて食事をするのはマナー違反と言われることがあるので注意が必要です。

また、トムカーガイを注文すると、ライスなどは付かず、トムカーガイのスープのみ出てきます。ライスやサラダも食べたい場合、別途注文する必要があります。

トムカーガイの中に生姜のスライスが入っていることがあります。こちらは日本の生姜とは異なる「ガランガル」と呼ばれるもので、香りが強いので薄くスライスをして使われます。とても固いので、現地ではこの生姜を食べずに残すようです。あくまで香り付けに使われているので、こちらは無理して食べる必要はありません。

トムカーガイのレシピ・作り方

最後に、トムカーガイのレシピと作り方を紹介します。今回は魚介や豚肉を使ったアレンジ編ではなく、最も一般的な鶏肉を使ったトムカーガイのレシピです。

日本で手に入らない場合に代用できる材料も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

トムカーガイの材料(2人分)

鶏むね肉 200g
ココナッツミルク 2cup
水 1cup
フクロダケ 5個 *無ければしめじ
エリンギ 1本
玉ねぎ 1/2個
赤パプリカ 50g
ガランガル 1片 *無ければ生姜
レモングラス 1本
コブミカンの葉 4枚
生唐辛子 2~3本 *無ければ乾燥唐辛子
パクチー 30g
ナンプラー大さじ 1.5 *無ければ砂糖とレモンジュースのミックス
砂糖大さじ 1
ライムジュース 大さじ4

トムカーガイのレシピ・作り方

  1. レモングラスは包丁の背で叩き、ひびを入れ4㎝程に切る
  2. 赤パプリカは種は取り除き、ヘタは切り落としておく
  3. パクチーの根と茎はみじん切りにし、葉は2cm幅に程度に切る
  4. フクロダケ、エリンギ、玉ねぎ、鶏むね肉を角切り、ガランガルはスライスする
  5. 鍋に水、切ったガランガル、レモングラス、コブミカンの葉、唐辛子、パクチーの根と茎を加え沸騰させる
  6. そこへ鶏肉、フクロダケ、玉ねぎトマトを加え火を通す
  7. ココナッツミルクを加え、ギリギリ沸騰しないくらいの火加減で5〜6分ほど煮る
  8. 火を止めて、砂糖とナンプラーを加え、最後にライムジュースを加える
  9. 深めのお皿に盛り付けて、2cm幅に切ったパクチーの葉を乗せる

トムカーガイを調理する際のポイント

トムカーガイは、全ての調味料の香りを生かした料理です。ガランガルやレモングラスは香りをよく引き出すために最初に入れますが、ナンプラーやライムジュースは必ず火を止めてから入れるようにしましょう。

特にライムジュースを入れてから沸騰させると、ココナッツミルクと分離してしまいせっかくの香りが台無しになってしまうので気をつけましょう。

そもそもココナッツミルクが苦手な人は?

ココナッツミルクが苦手な人でも、無調製豆乳を使うことで美味しいトムカーガイを作ることができます。無調製豆乳はとてもまろやかでコクが出るので、ココナッツミルクに劣らない濃厚さが楽しめます。

まとめ

トムカーガイは、長年タイ国民に愛されてきた料理です。ココナッツミルクベースなので優しい味で、辛いのが苦手な人でも美味しく食べられるタイ料理のひとつです。

日本で代用できる材料も多いので、ぜひご家庭でも作ってみてください。タイにいるようなエスニックな気分を味わえるはずです。