タイ料理「ソムタム(ส้มตำ)」とは?意味と28種類の味、食べ方を紹介

新鮮な青いパパイヤを使ったサラダ「ソムタム」をご存じでしょうか?そもそも日本ではなかなかパパイヤを手にすることがないので、「食べたことがない」「どんなサラダか想像できない」という人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ソムタムの種類や食べ方を解説します。記事の最後にはおすすめのレシピを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

タイ発祥?ソムタムはどこの国の料理?

ソムタムはタイ東北部イサーン地方発祥の料理です。少しずつ変化を遂げながら南西部地域にも広まり、現在ではタイ全域で食べられるようになりました。タイの東北部発祥のため、隣国のラオスでも広く親しまれています。

また、ベトナムにもソムタムと同じようなサラダがあり、「ゴイ・ドゥー・ドゥー(gỏi đu đủ)」と呼ばれています。

タイ料理「ソムタム」の基本情報

ソムタム

料理名 ソムタム(ส้มตำ)
英語名 Thai spicy papaya salad
食べられる場所 屋台、食堂、レストラン、フードコート
金額 30〜200バーツ(90〜600円)
意味 ソム=酸っぱい タム=叩く
特徴 イサーン風青パパイヤサラダ
辛さ ★★〜★★★★(非常に辛いタイ料理)

ソムタムとはどんな料理?どんな味?

ソムタム

ソムタムとは、青パパイヤを使ったサラダです。パパイヤというと甘い果物をイメージする人も多いかもしれませんが、青パパイヤは、熟す前に収穫され野菜として調理に使用されます。熟す前のパパイヤは栄養価も豊富で、美容効果も期待できると注目されています。

ソムタムの「ソム」は酸っぱいという意味で、「タム」は叩くという意味を持ちます。青パパイヤをスライスし、叩きながらナンプラーやにんにく、ライムなどと一緒に和えていくことからソムタムと呼ばれるようになりました。

加える材料によって風味が変わりますが、多くの場合は唐辛子による辛さ、ピーナッツや砂糖による甘味、そしてナンプラーやライムによる酸っぱみを楽しめるタイ料理です。新鮮な唐辛子が使われることが多く、非常に辛い料理でもあります。

ソムタムはどこで食べることができる?

ソムタムは、タイ国内のイサーン料理店だけでなく、一般的な屋台でも食べることができます。イサーン料理店はタイの東北部だけでなく全国で見られますし、屋台はそこら中に存在します。日本人に人気の観光先バンコクでも、本格的なソムタムを探すことは決して難しくありません。

店舗によって提供しているソムタムの種類が異なるので、いろんなお店で試してみるのもおすすめです。次の章では、ソムタムの種類について紹介します。

ソムタムの種類と注文方法

ソムタムは、使う具材によって異なる風味や食感を楽しめます。イサーン地域で生まれ徐々に変化を遂げながらタイ全国に広まったため、種類が多いのもソムタムの特徴。ここではソムタムの種類を28種類紹介します。

種類(メニュー名) 日本語訳
タムタイ
ตำไทย
普通のソムタム
タムムア
ตำมั่ว
好きなものを入れて作るソムタム
タムスア
ตำซั่ว
そうめん入りのソムタム
タムテーン
ตำแตง
きゅうりのソムタム
タムトゥアファックヤオ
ตำถั่วฝักยาว
十六ささげのソムタム
タムプープラーラー
ตำปูปลาร้า
(魚を塩漬けにして発酵させた調味料を使った)沢蟹入りのソムタム
タムプームーヨー
ตำปูหมูยอ
沢蟹とポークソーセージ入りのソムタム
タムプー
ตำปู
沢蟹入りのソムタム
タムケープムー
ตำแคบหมู
豚皮の揚げ物入りのソムタム
タムプーマー
ตำปูม้า
渡り蟹(タイワンガザミ)入りのソムタム
タムタレー
ตำทะเล
魚介類入りのソムタム
タムクンソッド
ตำกุ้งสด
生エビ入りのソムタム
タムホイナンロム
ตำหอยนางรม
生牡蠣入りのソムタム
タムホイドーン
ตำหอยดอง
ムール貝を塩漬け入りのソムタム
タムマプラオーン
ตำมะพร้าวอ่อน
ココナッツの柔らかい部分入りのソムタム
タムタイプー
ตำไทยปู
ココナッツの柔らかいタムタイにカニを入れたソムタム
タムプーマーソッド
ตำปูม้สด
生の渡り蟹入りのソムタム
タムカイケム
ตำไข่เค็ม
塩漬けゆで卵入りのソムタム
タムコームーヤーン
ตำคอหมูย่าง
豚喉肉のあぶり焼き入りのソムタム
タムケロット
ตำแครอท
人参のソムタム
タムマムアン
ตำมะม่วง
マンゴーのソムタム
タムアポー
ตำแอปเปิ้ล
りんごのソムタム
タムポンラマイ
ตำผลไม้
果物のソムタム
タムヨートマプラオ
ตำยอดมะพร้าว
ココナッツの新芽を使ったソムタム
タムカオポート
ตำข้าวโพด
トウモロコシのソムタム
タムルアンパバーン
ตำหลวงพระบาง
青パパイヤのスライス切りソムタム
タムソムオー
ตำส้มโอ
ザボンのソムタム
ソムタムトート
ส้มตำทอด
ソムタムをフライにした料理

注文をするときは、「ソム+〇〇(メニューの名称)」を伝えます。例えば1つ目の最も一般的なソムタムを頼みたい場合、「ソム+タムタイ」で「ソムタムタイ」と注文します。また、「酸っぱ目が良い」「ピーナッツ多め」などリクエストに答えてくれるお店も多いので、遠慮せずに好みの味を伝えましょう。

ここで紹介しただけでも28種類ありますが、他にもさまざまな種類のソムタムタイが存在します。店舗や地域によって異なる具材や味を楽しめる、タイ人に愛されている料理です。

本場タイ人のソムタムの食べ方

激辛料理に慣れているタイ人に長年親しまれてきた料理ということもあり、現地でソムタムを注文すると非常に辛いサラダが出てくる可能性があります。現地のタイ人は唐辛子を5本以上入れて食べるそうですが、注文するときは唐辛子少なめと伝えるのがおすすめです。

また、辛い料理なので、現地ではカオニャオと呼ばれる餅米や、ビールと一緒におつまみ感覚で食べられています。飲み歩いて小腹が空いたときのお酒の当てにもピッタリです。

ソムタムのレシピ・作り方

ソムタム

最後に、ソムタムのレシピと作り方を紹介します。レシピは非常にシンプルで、高い料理のスキルは必要ありません。最も重要なのは、新鮮な青パパイヤと野菜、そして生唐辛子です。

ソムタムの材料(二人分)

青パパイヤ……半分/個
いんげん……3本
ミニトマト……2個
ピーナッツ……大さじ1
干しエビ……大さじ1
ナンプラー……大さじ1.5 *量はお好みで
ライムの絞り汁……大さじ1.5 *量はお好みで
にんにく……1片 *量はお好みで
唐辛子……1/2(マイルド)~5本(辛い!)お好みで
砂糖……大さじ1

ソムタムのレシピ・作り方

  1. 皮をむいたパパイヤを、スライサーもしくは包丁で千切りにする。
  2. 臼に唐辛子とにんにくを入れて潰す、もしくは包丁で細かく切り、砂糖を加える。
  3. 半分に切ったミニトマトを加えて、軽くつぶす。
  4. いんげんを約3~4cmの長さに切って加える。
  5. パパイヤを加え、ナンプラー、ライム汁を加え、叩きながらかき混ぜす。ジップロックなど袋に入れて上から叩いてもOK。叩き加減はお好みで。
  6. ピーナッツと干しエビを上から散らす
  7. お皿に盛り付けて、完成

ソムタムのアレンジ

ソムタムは、さまざまなアレンジができ楽しく料理できます。ししゃもやホタテといった魚介類を混ぜたり、そうめんやマロニーを追加してボリュームを出すこともできます。冷蔵庫の残り物を活用できるので、何かを食べ切りたいときにも便利です。
青パパイヤが手に入らないときは

日本ではそもそも青パパイヤが手に入らない可能性が高いです。沖縄や九州など暖かい地域では夏の間に見かけるかもしれませんが、そう簡単に見つけられる物ではありません。

そんなときは、人参や硬めのマンゴー、大根やきゅうりで代用しても美味しく食べられます。ポイントは硬めの材料を選ぶこと。ちなみにマンゴーで作られたソムタムは「タムマムワン (ตำมะม่วง)」、キュウリのものは「タムテーンクワー (ตำแตงกวา)」 と呼ばれます。

まとめ

ソムタムは、タイの北東部発祥で、徐々に全国に広まった歴史のある料理です。そのバランスの取れた酸っぱさ・辛さ・甘さ、そして栄養価も高いことで長年タイ人に愛されてきました。

ソムタムの種類は数えられないほど存在し、地域や店舗によって味が異なる奥の深いサラダです。青パパイヤが手に入れば他の食材は比較的簡単に揃えられるので、機会があればぜひお家でも作ってみてください。