日本人の口に合うと人気のタイの名物料理「カオマンガイ」。鶏肉を茹で、その茹で汁でタイ米を炊くという、鶏の旨味を最大限に活かした料理です。比較シンプルな料理なので、家で作ることもできます。
この記事では、カオマンガイの意味や食べ方を紹介します。
タイ発祥?カオマンガイはどこの国の料理?
東南アジアにはカオマンガイに似た料理が多く、はっきりとした発祥は分かっていません。シンガポールの「チキンライス」や中国の「海南鶏飯(ハイナンジーファン)」は、カオマンガイと同じく鶏肉を使った料理で、調理方法も非常に似ています。
しかし「カオマンガイ」という料理名はタイ語であり、使われるお米がタイ米であることからも、カオマンガイの発祥はタイだと言われることが多いです。
タイ料理「カオマンガイ」の基本情報
料理名 | カオマンガイ(ข้าวมันไก่) |
英語名 | Thai boiled chicken rice |
食べられる場所 | 屋台、食堂、レストラン、フードコート |
意味 | カオ:ごはん、マン:油、ガイ:鶏肉 |
特徴 | 蒸し鶏のご飯 |
辛さ | ★〜★★★★(タレが激辛の場合がある) |
カオマンガイとはどんな料理?
カオマンガイは、鶏肉をにんにくや生姜などの薬味と一緒に茹で、切ったものをタイ米の上にのせたタイの人気料理です。タイ米は鶏肉の茹で汁を使って炊かれているので、ほんのりと肉や生姜の旨みを味わうことができます。
カオマンガイは、香辛料やハーブをきかせた醤油ベースのタレと一緒に提供されます。タレの味はお店によって異なるのが特徴的です。
カオマンガイと海南鶏飯の違いとは?
タイで愛されているカオマンガイに似た料理は、東南アジア各国で見られます。中国やシンガポールでは「海南鶏飯(ハイナンジーファン)」という料理が親しまれており、こちらも茹でた鶏肉とご飯を一緒に提供されています。
料理方法に大きな違いはありませんが、カオマンガイと海南鶏飯では使用する「タレ」が異なります。カオマンガイは甘辛いしょうゆベースのタレを添えるのが一般的です。このタレの風味がお店によって異なり、激辛の場合もあります。
一方で海南鶏飯では黒い甘辛ソース、チリソース、生姜とレモンのさっぱりとしたソースの3種類のタレが添えられていることが多いです。
カオマンガイはどこで食べることができる?
カオマンガイはタイ国内で広く親しまれている料理です。そのため、屋台からフードコート、ローカル食堂やレストランまで、さまざまな場所で食べることができます。お店の前に茹でた鳥が丸ごとぶら下がっていれば、ほぼ確実にカオマンガイを提供しています。
また、辛いのが苦手な方は、外国人が多い観光地のレストランでカオマンガイを頼むのがおすすめです。観光客向けにタレの辛さを抑えて作られていることが多く、食べやすい味にアレンジされています。カオマンガイ専門店もあるので、タイ観光の際にはぜひトライしてみてください。
カオマンガイの種類と注文方法
実はカオマンガイには2種類あります。日本のタイ料理店でお馴染みの茹でた(蒸し)鶏だけでなく、油で揚げた鶏肉をご飯にのせた料理があります。油で揚げた鶏肉のカオマンガイは、スイートチリソースと一緒に提供されるのが一般的です。
注文する際には、どちらのカオマンガイが良いか伝えるようにしましょう。
茹で | トム | ต้ม |
揚げ | トート | ทอด |
タイ語で「茹で」と「揚げ」は上の通りなので、茹でた鶏のカオマンガイを注文したい場合、「カオマンガイトム」と言いましょう。揚げた鶏のカオマンガイを頼む場合は「カオマンガイトート」となります。
もしどちらも食べてみたい人は、ミックスを注文するのがおすすめです。ミックスはタイ語で「パッソム(ผสม)」です。「カオマンガイパッソム」と注文すると、茹でと揚げの両方楽しむことができます。
また、茹でた鶏のカオマンガイの場合、ブニブニとした皮の部分が苦手な日本人も少なくありません。その場合、皮(ナン)は入りませんという意味で「マイアオ・ナン・ガイ(ไม่เอาหนังไก่)」というと皮を除いて提供してもらえます。
本場タイ人のカオマンガイの食べ方
タイの飲食店で提供されるカオマンガイは、鶏肉が一口サイズに切って提供されることもありますが、ドンっと丸ごと鶏肉がご飯にのっていることがあります。その場合、鶏肉を切らないと食べられないのに、なぜかナイフが提供されないことがあります。そんなときも、心配ありません。カオマンガイの鶏肉はホロホロと柔らかいので、フォークで鶏肉を抑えてスプーンで切って食べられます。
本場のタイ人も、ナイフを使わずにフォークとスプーンでカオマンガイを食べるのが一般的なようです。また、ソースの食べ方は、鶏肉の上にかけ、ご飯と一緒にスプーンにのせて食べるのがおいしい食べ方。さらにカオマンガイには一般的にきゅうりやパクチーといった野菜が添えられているので、途中で飽きることなくさっぱりと食べられます。
カオマンガイのレシピ・作り方
最後に、蒸すタイプのカオマンガイのレシピと作り方を紹介します。
カオマンガイは比較的シンプルな材料で作ることができます。
カオマンガイの材料(2人分)
しょうが 15g
にんにく 1片
パクチーの根 1本分タイ米(ジャスミンライス) 2合*無ければ日本米塩 小さじ1/3
きび砂糖 小さじ1/2
Bしょうが 15g
Bにんにく 1/2片
Bナンプラー 大さじ2
B酢 大さじ2
Bきび砂糖 大さじ1
Bパクチーの茎 5g
生赤唐辛子 1〜2本
きゅうり 1本
パクチー 適量
カオマンガイのレシピ・作り方
- 鶏もも肉は余分な皮と脂を取り除き、厚みのある部分は切り開く
- しょうがとにんにくは事前に潰しておく
- 鍋に水500mlと鶏もも肉、2.で潰したしょうがとにんにく、パクチーの根、塩ときび砂糖を入れ、火にかける
- 沸騰したらアクを除き、弱火で7~8分ほどじっくりと煮る
- 竹串を鶏肉に刺して唇にあて、温かかったら火を止めて、そのまま冷めるまでおく
- タイ米は洗わずにそのまま炊飯器に入れ、5.のゆで汁と1カップを炊飯釜に入れて炊く
- タイ米を炊いている間に、しょうがとにんにく、赤唐辛子、パクチーの茎をみじん切りにし、Bを混ぜてタレを作る
- お米が炊き上がったら鶏もも肉を取り出し1cm幅に切る(もしくは切らずにそのままご飯の上にのせてもOK)
- お皿に炊き上がったタイ米と鶏もも肉を盛り付け、たれ、斜め切りにしたきゅうり、パクチーを添えて完成
カオマンガイを作るときのポイント
カオマンガイの美味しさを左右するタレに使う唐辛子は、乾燥唐辛子でなく、生唐辛子を使うと良いです。乾燥唐辛子に比べて香りがよく、パンチも効くのでよりタイ料理らしい味わいになります。もし乾燥唐辛子しかない場合、事前に水につけてふやかすと使いやすくなります。
また、タレ用のにんにくやパクチーの茎は、ブレンダーで混ぜてもOKです。
まとめ
カオマンガイの意味や食べ方を紹介しました。カオマンガイには2種類あり、茹でたものと揚げたものがあります。現地ではどちらのカオマンガイが食べたいのかを伝えるようにしましょう。
今回紹介したレシピは、家で簡単にできる本格カオマンガイです。タイ米は日本米で代用しても美味しく出来上がります。ぜひ挑戦してみてください。