タイでチップを払わないとどうなる?チップ相場と渡すべき7つ場面

海外旅行先で気になるのが、サービスに対する感謝の念として手渡すチップの文化です。日本にはない文化なので、何かと戸惑う場面が少なくありません。

実は、タイでもチップを払う文化がありますが、その値段はシーンによってさまざまです。

そんな方のために今回は、タイでチップが必要なシーンや相場、チップを払わないとどうなるのかなど、タイのチップ事情についてご紹介します。

旅行者も必見|タイのチップ事情について

タイ チップ

実は、タイにはもともとチップという文化がありませんでした。しかし、観光客が増えてヨーロッパやアメリカの文化が徐々に浸透して行くとともに、いつのまにかチップの習慣がある国として定着しました。とくに観光客の多いバンコクなのどではチップは「あって当然」の制度として根付いています。

タイでは近隣国から出稼ぎに来ている方も多く、そんな方のほとんどが安い給料で働いています。ベルボーイに限らずベッドメイキング、マッサージ・スパなどで働いている方は、安い給料で働いている場合が多く、チップで生計を立てている方も少なくありません。

そのため、良いサービスをしてくれたなと感じたときは、気持ちとしてチップを渡してあげましょう。

タイでチップを払わないとどうなる?

タイでチップを払わないと、次回以降のサービス対応が目に見えて悪くなることがあります。例えば、ホテルでベッドメイキングのスタッフにチップを渡さないと、翌日からのシーツのセットが雑になったり、ひどい場合だとアメニティを交換してくれないこともあります。

チップは気持ちよく利用させてもらったことに対する感謝の気持ちなので、よほど質の悪いサービスを受けた場合を除いて渡すようにしましょう。

・受けるサービスの質が悪くなることがある
・がっかりとした顔をされるとこがある

タイのチップ相場と渡すべき7つ場面

タイ チップ

タイでは、どんな場面でもチップが必要というわけではありません。払うべき場所や場面がある程度決まっているので、それを理解した上で、スマートにチップを払うと旅がぐっと楽しくなります。

タイでチップを渡すべき場所・場面は以下の通りです。

  1. ホテル
  2. レストラン
  3. マッサージ・スパ
  4. タクシー
  5. ゴルフ
  6. 象乗りツアー
  7. カラオケ

基本的にこの7つだけ覚えておけばOK。チップで渡すときは、コインではなくお札(20バーツ札、50バーツ札、100バーツ札、500バーツ、1000バーツ)が一般的です。

・屋台、フードコート、コンビニ、市場
・スーパーマーケット、ファーストフード
・百貨店やショッピングモール内の店舗

チップを渡す必要がない場面では「◯◯バーツ」と請求された金額をそのまま払うだけでOKです。ただし、お釣りの額が1バーツ~2バーツ(3円~7円)と小さい場合は、小銭を用意できておらずお釣りを返してくれないこともあります。

ホテル宿泊時のチップ事情と相場

タイ ホテル チップ

ホテルでチップを渡す場面は、主に以下の3つです。

・チェックイン後に部屋まで荷物を運んでもらった際のチップ
・ベッドメイキングの際のチップ
・ルームサービスを利用した際のチップ

その他、コンシェルジュにお世話になることがあれば都度渡します。道を教えてもらう程度なら不要ですが、時間をかけて対応してもらったり手間を取らせてしまった場合は、感謝の気持ちとして渡しましょう。

また、1回あたりのチップの額はホテルのランクによっても異なり、ホテルランクが上がればチップの額も上がります。相場感は以下の通り。

1泊2000バーツ以下の格安ホテル:20~50バーツ
1泊6000バーツ以下の中級ホテル:50~100バーツ
1泊6000バーツ以上の高級ホテル:100バーツ

ホテルに連泊する場合でも、ベッドメイキングの際のチップは1日ごとに渡すようにしましょう。

ベッドメイキングは部屋を空けている間にしてくれるので、直接渡すことはありません。分かりやすく枕の上(または下)にお札を置いておきましょう。また、部屋に現金をそのまま置いているとチップだと思い持っていかれることがあるので注意が必要。

レストラン利用時のチップ事情と相場

タイ レストラン チップ

タイには屋台・食堂・高級レストランなどさまざまな飲食店がありますが、ファーストフード店以外のレストランであれば基本的にチップを支払うのが常識です。

チップの支払い額は、お会計の5~10%が目安で多くても100バーツ程度でOKです。しかし最近では、お会計にサービス料(Service Charge)を含んでいるレストランも多くなっているため、チップの支払いは以下の基準を参考にしてみてください。

お会計に・・・
サービス料が含まれている場合:お釣りの小銭+20バーツ札数枚

サービス料が含まれていない場合:お会計の5~10%

チップの支払い方法は、お会計後のお釣りをそのまま伝票ホルダーに残して挟んでおくだけです。

会計金額が485バーツであれば500バーツを支払い、お釣りの15バーツをチップとして伝票ホルダーに残しておきましょう。基本的にはサービス料(Service Charge)が加算されていることが多いので、必要以上に多く支払う必要はないでしょう。

なお、クレジットカードで支払いをした場合は、基本的にチップは必要ありません。

マッサージ・スパ利用時のチップ事情と相場

タイ マッサージ チップ

マッサージやスパは高級店でもローカルなお店もでもチップを渡すのが一般的です。特に格安マッサージ店はチップがマッサージ師の収入源の一つになっています。質のいいマッサージが受けれたときは、感謝の気持ちとしてチップを渡しましょう。

ローカルなお店(施術1,000バーツ以下/時間)
1時間:50バーツ
2時間:100バーツ
高級なお店(施術1,000バーツ以上/時間)
1時間:100バーツ
2時間:200バーツ
サービスが悪い:20~50バーツ/時間
サービスが普通:50~100バーツ/時間
サービスが良い:100バーツ以上/時間

といったように、サービスの満足度を考慮して渡します。もちろん、質の良いマッサージが受けられたときには短い時間でも100バーツを渡してもOK。逆に質の悪いマッサージだった場合には、チップを20バーツに下げても問題ありません。

マッサージやスパ自体の料金は前払いなので、チップは施術が終わり店を出る前に手渡します。施術御、更衣室での着替えが終わって更衣室を出たところで担当者に渡したり、人によっては店を出る直前で渡す人もいます。タイミングを見計らって、さらっとチップを渡すとスマートです。

タクシー利用時のチップ事情と相場

タイ タクシー チップ

タイでのタクシー利用時は、基本的にチップを渡す必要なく、運賃のお釣りになる端数(5バーツ以下)をチップ代わりに受け取ってもらうのが一般的です。タクシー運転手も端数はチップと認識していることが多いため、お釣りを返す素振りを見せないことがほとんど。ときには「お釣り(硬貨)は用意していない」と言われることも・・・。

そのため、タイでタクシーを利用する際は、お釣りの小銭はあげるという気持ちでタクシーに乗るのがおすすめです。

基本的にチップとしてお金を手渡すことは少ないタクシーですが、大きい荷物やスーツケースをトランクに入れてもらったときなど運転以外で助けてもらったときには、チップを渡してあげることが多いです。

お会計時にお釣りの端数(5バーツ以下)をそのまま受け取ってもらう。
※荷物をトランクに入れてもらったとき等は別途20バーツ程度渡してあげると良いです。

例えば、タクシー料金が95バーツであれば100バーツ札をサッと渡し、お釣りを受け取らずにタクシーを降りる形になります。

なお、メーターを使ってくれず値段交渉で乗車したタクシーへのチップは必要ありません。値段交渉での乗車はタイでも禁止されており、悪質なドライバーである可能性が高いため、チップを要求されても渡さないようにしましょう。

ゴルフをする際のチップ事情と相場

タイ ゴルフ チップ

週末のゴルフ場は日本人の駐在員や旅行者がとても多く、最も身近な娯楽としてゴルフが楽しまれています。そんなゴルフ天国のタイでは、コースを回るときに必ず専属のキャディーさんがつきます。

そのため、ゴルフでコースを回るときは、付いてくれたキャディさんにチップを渡しましょう。また、打ちっぱなしの場合は清掃員やクラブを持ってくれたスタッフにチップを渡します。

コース:ラウンド終了後にキャディーさんへ300~500バーツ程度
打ちっぱなし:清掃員やクラブを持ってくれたスタッフに20~50バーツ程度

キャディーさんの中には、仕事中にスマホを触ったり、ダラダラしていたりなど適当に仕事をする人もいます。このような場合は、チップの額を少なくするなど検討してみてもいいかもしれませんね。

象乗りツアー利用時のチップ事情と相場

タイ ツアーガイド チップ

タイ旅行の醍醐味と言っていいほどの「象乗り体験」。本場の象乗りを体験をするためにツアーに参加する人も少なくないはずです。

象乗りツアーに参加した際は、象遣いに50~100バーツほどのチップを渡してあげることが常識となっています。特に、観光客がよく訪れるバンコクやプーケットでは、象遣いから「チップ!チップ!」と要求されることも・・・。

あまり気分はよくないですが、チップを渡すことで写真を撮ってくれたり、象の頭付近に直接乗らせてくれたりしますよ。

象乗りツアーに参加した場合は、象遣いに50~100バーツ程度を騎乗してから渡す。
※ツアーガイドには基本的にチップを渡す必要はありません。

チップが不要な場面と気を付けるべきこと

タイでは、何か物を買った時やサービスを受けた時に必ずしもチップを払わなければならないということはありません。

ということで、次はタイでチップを渡さなくてもいい場面を紹介していきます。

屋台やフードコートではチップは不要

タイ 屋台 チップ

レストランと違い、屋台やフードコートではサービスがないのでチップは不要です渡す必要がないのでお釣りもしっかりもらいましょう。

蛇足ですが、バンコクに限らずタイのショッピングモールのフードコートは少し変わっており、現金が使えません。その代わりにフードコート専用のキャッシュカードを利用して、お会計をします。

キャッシュカードを貰える場所は、フードコート入り口など見えやすい場所に2、3個設置されています。「CASH CARD」と書いた看板があり、カウンター越しにお姉さんが座っているのですぐにわかるはず。カウンターのお姉さんに現金を渡すことで、お金がチャージされた状態になったキャッシュカードを貰うことができます。

初めて利用する方は戸惑ってしまう可能性が高いため、以下一連の流れを参考にしてみてください。

  1. はじめに200バーツほど窓口でチャージ。
  2. カードを持ったまま、食べたいモノを探す。
  3. 注文し、厨房のスタッフにカードを渡して決済。
  4. レシートと一緒にカードを返してもらう。
  5. 再度窓口に持っていくことで、残りを現金化できる。

現地オプショナルツアーではチップは不要

タイ ツアーガイド チップ

水上マーケットや寺院観光のために現地オプショナルツアーへ参加すると、ツアーガイドが付いてくれることがあります。しかし、実はツアーガイドにチップを渡す必要はありません

なぜなら、日本人向けのツアーは他国のツアーよりも高い料金が設定されていることが多く、ガイドもその分多めの給料を貰っているからです。

とはいえ、ガイドさんの腕前で素晴らしいツアーになったと感じたときは、感謝の気持ちとして100バーツ程度を渡してあげると良いでしょう。

ナイトクラブのトイレでのチップは不要

繁華街近辺やナイトクラブのトイレの洗面台付近に立っているタイ人男性には注意が必要です。

トイレを済ませ手を洗った後に、タイ人男性が親切にティッシュを渡してくることがあります。何も分からない観光客は受け取ってしまった挙句、タイ人男性からチップを要求されることになります。

こういった観光客を狙ったチップ要求に巻き込まれてないようにするためは、会話をせず無視をすることが大切です。何も話さず手を洗ってすぐトイレを出ましょう。

サービスに満足しなかったときはチップは不要

ここまでで全ての事例について紹介してきました。

チップを渡す場面でも、サービスに満足しなかったときはチップを払わない、またはチップの額を少なくするといったことはよくある話です。

中には、チップ文化を悪用して稼ぐタイ人もいますので注意が必要です。

もちろん素敵なサービスを受けたらチップを渡してあげてくださいね。

まとめ|チップは多くても100バーツ程度でOK

以上、タイのチップ文化について紹介しましたがいかがでしたか?高級レストランやカラオケ店、ゴルフを除けば、タイでそこまで高額なチップを渡すということはないと思います。

金額に関しても満足の高いサービスであれば100バーツ、普通のサービスであれば20~50バーツ程度で考えておけば問題ないでしょう。

タイ人に言われたからといって素直に払っていては、せっかく物価の安いタイでも大きな出費となってしまいます。最低限この記事で紹介したチップ文化を理解しつつ、タイを楽しんでくださいね。